ニュースと読み物/時事ネタ通信

金田善裕こと金田トメのオルタナティブ・メディア

T-ns SOWLの作る未来感覚とSEALDs


Text by 金田善裕、またの名は、金田トメ

約三ヶ月前、東京でSEALDsがもっぱら話題になっていて、じいさん、ばあさんたちが、ついに学生も立ち上がったと言って、口々にSEALDsの名前を口にしていた。応援していたのだ。ぼくは日本のアクティビズムというと、じいさんとばあさんが主力だと思って、シニア革命と心の中で呼んでいた。問題があればここ十年を過ぎたあたりで高齢化がさらに進み、アクティビズムの継承者がいったんいなくなるだろうな、などということだった。

上野のアメ横の喫茶店でたまたま日本に遊びに来ていた西海岸の反核グループFukushima Response Bay Areaのジョンと話をしても、Aged Activistsがどうだのなんだのと言うと、ジョンも同様なことを考えていたようだった。米国も反核というと70年代、80年代の運動なのでアクティビストは中高年とシニア層が多い。

ブルックリンに帰ってきて、日本のアクティビズムを見ていると、SEALDsの高校生版のT-ns SOWLというのを見つけた。これが面白いのですね。

T-ns SOWLの面白い点

1 T-ns SOWLSはテクノ音楽、トランス、ハウス系の音でデモをする。SEALDsがヒップホップなので、この違いは際立つ。ある意味で、センスとしてより洗練されている。音楽として新しいものを選択している。

2 プラカードのデザインがより未来的である。今の時代の未来感覚ってポートランドとかブルックリンとか言われていますが、東京の方がすごいと思う。その一端がこのプラカードにも出ている、東洋的な部分と西洋的な部分の両方が入って未来的。

3 SEALDsのデザインは音的にも考えられていて、奥田君がマーチン・ルーサー・キングのスピーチをラップに重ねて考えているように、その考えられている部分は、あの「安倍はやめろ」という部分が、二拍三連になっているところからもわかる。ただ、あの二拍三連よりもT-ns SOWLのテンポの早い、アップテンポのコールはなかなか気持がいい。

んで、なにゆえに高校生のデモは気持がいいのだろうと考えていたのだが、ようするに人間というのは教育を受けて、中高大と学校に行くのだが、それは同時に社会化していく過程でもある。つまり、高校生は大学生よりも社会化されていない人間である。だから、既成社会の枠組み学習というところで、大学生よりもなされていないので、より自由なんじゃないのだろうか。SEALDsは大学生らしく、裏側がデザイン、音、コールの仕方、運営方法、組織の組み立て方などがよく考えられている。一日にしてできたわけではないのがよくわかる。原発事故以後の日本人の中で、本当によく学んでやってきた子たちだと思う。T-ns SOWLはそういう考えられたものというよりも、未来をぶつけてくる感じがする。そこが好きだ。

NYにもSEALDsが発生する可能性があるのだが、T-ns SOWLもできたらね。

英文ブログ

Complex Absurdity: Fukushima Nuclear Accident | Alternative Journalism About Fukushima

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